発達障害といじめの関係性
全国ICTカウンセラー協会 安川雅史
発達障害の子どもの7割がいじめの標的になっているとの研究報告があります。この背景には、教員が発達障害について理解していないことと正しい対応ができていないことがあげられます。
広汎性発達障害(PDD)の児童生徒対応
広汎性発達障害の児童生徒は、様々な問題行動を起こします。これらは、障害の特性でもあり、無理強いをしても改善されないばかりか、間違った対応を続けていると、症状が悪化してしまう事もあるので注意が必要です。
発達障害の児童生徒の場合、怒鳴ったり、叱っても、状態は悪化します。 特に、広汎性発達障害の児童生徒は、耳から聞く力が弱い場合が多く、くどくど言っても、理解出来ません。
また、婉曲的な言い方や皮肉も言葉通りに受け取ってしまう可能性があるので、
出来るだけ短い言葉でわかりやすく伝えるように心がけてください。抽象的な言葉は通じないことがありますので具体的に伝えてください。また、否定的な言い方が通じにくい子もいますので、肯定的な言い方で伝えてあげてください。「明日は遅刻するなよ」ではなく、「明日は早起きして学校に来ましょうね」と肯定的な言葉で伝えてください。好ましい行動や、取らなければならない行動を、肯定的な言葉で伝えると、理解しやすくなります。場面に応じた気持ちの切り替えが難しい児童生徒には、タイマーを利用し時間になったら知らせる機能を使うのも有効です。また、広汎性発達障害の児童生徒は、変更を受け入れることが難しく、一度覚えた事は忘れません。時間割が変更になっただけでパニックになる児童生徒もいますので、直前に知らせるのではなく、数日前までに変更は伝え、当日の朝も再確認するようにしてください。時間割の変更は口頭だけではなく、必ず、紙にも蛍光ペンで目立つようにチェックして視覚にも訴えかけてください。集団生活に入る前に、出来るだけ多くのルールを教えてあげるようにしてください。「ありがとう」「どういたしまして」「どうぞ」などのよく使われる単語は日頃から意識して使い、状況に応じて使い分けできるようにさせてください。
先が見通せなかったり、自分の思い通りに事が運ばなかった為に、混乱してパニックになり、大声をあげたり、泣き叫んでいる時に、怒っても逆効果です。安全な場所に移し落ち着くのを待ってください。(危険な場合や緊急を要する場合は、一時的に押さえ込まなければならない時もあります)言っている事を理解出来る児童生徒の場合は、落ち着いてからゆっくり説明してあげてください。また、パニックになった出来事を先生と児童生徒で一緒に振り返ってください。場所を変える事によって、落ち着く児童生徒もいます。決して感情的にならず、毅然とした態度で冷静に対応してください。
児童生徒との間で学校内でのルールを決めてください。成功した時はしっかりと褒めて自信を持たせてください。先を見通す力が弱い児童生徒には、 その日の予定を、毎朝、児童生徒に知らせておいてください。(言葉だけではなく、紙に書いて渡してください)耳で聞く事よりも、視覚から情報を取り入れる能力の方が上回っている子には、写真や絵などをうまく利用する必要があります。
スケジュールに沿った行動を毎日とらせることにより、自分が何をどうすればいいのかが理解できるようになっていきます。物事の順番などにこだわる児童生徒は、少しずつ慣らしていき、こだわりを取っていくことが大切です。また、自分の頭を壁に打ちつけたり、顔をたたくなどの行為がしばしば見受けられますが、これは、うまく自分の気持ちを相手に伝えられなかったり、自分が何を求められているのかを、理解出来ずにイライラしている可能性がありますので、原因をよく分析した上で、ストレスを取り除いてあげることが大切です。怒鳴ったり、叱り付けても逆効果になります。
また広汎性発達障害は、他人の感情を理解しにくい障害なので、
他人の顔を殴ったりする攻撃的な行動もしばしば見られます。この場合も児童生徒を静かな場所に移し、児童生徒の話をしっかりと聴いた上で、やってはいけない行為であると伝えてください。また、絶対に人を殴らないと約束させてください。自分を落ち着かせる為に独り言をブツブツ言っていることもありますが、ある程度は認めてあげましょう。周りにも悪影響があると思われる場合、「授業中は禁止」など、ルールを決めてください。広汎性発達障害の児童生徒の中には、危険を察知したり、回避したりする能力の乏しい子もいます。学校内(児童生徒の目の届く場所)に危険なものがないかを確認してください。安全にだけは、細心の注意を払ってください。頭を揺すったり、身体を揺らしたりする事を好む児童生徒がいます。これは、触覚や視覚に刺激を与えて楽しんでいるときにとる行動ですが、没頭しすぎないように、他の事に目を向けさせてください。5分間先生と話しをする・・・など。オウム返しは、言葉の獲得段階でよく見られる現象です。ある程度言語のレベルが発達すると自然に消えますが、大きくなっても続く場合には、質問の意味が理解出来ていない
可能性がありますので、出来るだけ、分かり易い言葉で話し掛けてあげてください。また、学校内のものを使用しても元の場所に戻せない児童生徒の場合は、必ず、借りたものは、元の場所に戻さなければならない。と伝え、後片付けの習慣もつけさせてください。
指導上の留意点
1.単純明快な指示を心がける。(指示は具体的表現でひとつひとつ確認する)
2.急な変更はしないようにする。(変更がある場合は事前に話しておく)
3.変更がある場合は、口頭だけではなく必ず紙に書いて蛍光ペンなども使い目立つようにして渡す。
4.否定的言葉は避けて肯定的な言葉で伝える。
5.児童生徒が問題行動を起しても感情的にならずに冷静な対応を心がける。
6.学校でのルールは集団生活に入る前にわかりやすく教えておく。
7.注意力が散漫にならないように教室の中の整理整頓を心がけ、余計なものは置かないようにする。
8.重要なことは、目立つような大きな字で目立つ色を使い紙に書き、目立つところにはっておく。
9.行動のルールを決めて、約束が守れたときは、最高の表情で、約束が守れたことを毎日褒める。
10. 不適切な言動があった場合は、わかりやすい言葉を使い児童生徒に気付かせ、気付けたことを褒める。また、してはいけないことを常識的に教えて、これからはどうすればよいか?を具体的に指示する。
11. 児童生徒が座る席は、最前列の教師が一番目に届くところに座らせ、適宜、声かけをする。
12. 児童生徒の集中力を考えながら、集中力が切れる前に、児童生徒の近くを通り、タイミングよく声をかける。
13. 完璧は求めずに、多少だらしない行為があっても、周りに迷惑をかけていなければ、細かいことは、注意しない
14. タイマーなど時間になったら知らせる機能を利用する。
15. パニックを起した時は、静かな落ち着ける場所に移動し、冷静になるのを待つ。冷静になってから、児童生徒と向かい合い、パニックになった出来事を振り返る。
(興奮しているときは、叱らずに落ち着くのを待つ)
16. スケジュールを決めスケジュールに沿った行動を毎日とらせる。
17. 児童生徒が登校してきたらすぐに今日のスケジュールの確認をする。また、声かけは先生のほうから積極的に毎日すること。活動への参加も積極的に行うようにする。
18. 借りたものは必ず元の場所に返す習慣を身につけさせる。
19. 一貫性のある粘り強い指導を心がける
20. 絵や写真、模型などを指導のときに上手に活用する(視覚からの情報のほうが頭に入りやすい)
21. 児童生徒がイライラしている場合は、よく観察し、原因を分析すること。児童生徒からイライラしていること、ストレスになっていることを直接聞いてもよい。
その場合は、理由ではなく、意図を尋ねること。例)「なんで○○ちゃんに暴力を振るったの?」と理由を聞くのではなく、「イライラしていたの?」「何がしたかったの?何をしようと思ったの?」と意図を聞くことが大切である。
22. 原因がわかった場合は、児童生徒がイライラしないための環境づくりをする。
23. 児童生徒と話をするときは、近づいて、静かに、穏やかに話しかける。
24. 多動の児童生徒には、プリントの配布などを手伝ってもらう。
25. 集中できる時間に合わせた課題の作成(50分集中させようとするのではなく,
15分で完成する問題を3つ用意し、ひとつ課題が終わるたびに、質問をしながら、一旦、リセットして次の課題に取り組ませる。
フィンランドの発達障害児に対する学校での対応
フィンランドの学校には、発達障害などの子どもなどに対して、問題が起こったときに、担任教師がひとりで抱え込まないように、特別支援の教師の他に、保健師、ソーシャルワーカー、精神科医、児童心理学者、校長、副校長で支援チームを構成している。サポートチームメンバーは、学期始め全校生徒に全員が紹介され子どもたちが、電話や対面などでいつでも相談しやすい体制を作っている。
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無視、仲間はずれ、悪口・・・保護者や教員がしっかりと弱い立場の子どもを守りましょう。
ネット上の誹謗中傷・・・犯罪行為なので警察の介入が必要な場合があります。
恐喝、暴力、強姦・・・犯罪行為。警察へ通報するなど司法の介入が必要。
卑劣な行為により大切な命が奪われることがあっては絶対にいけません!
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安川雅史
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