◆平成20年(2007年)滝川高校いじめ自殺事件
兵庫県神戸市須磨区の私立滝川高校に通っていた当時高校3年生の男子生徒がいじめを苦にして自殺した事件である。学校側がいじめを否認し続けていたことや、学校裏サイトを使用したいじめが行われていたことから注目を受けた。
◆平成22年(2009年)多摩川高校生水死事件
2009年7月19日午後7時すぎ、多摩川で高校生2名が水死した。当初は、事故死として処理されていたが、水死した高校生の父親が、一緒に居たサッカー部の友人が、突き落とされて溺れる2人の様子を携帯電話で動画撮影していたことを突き止め、警察に被害届を出したことから、一転して捜査が開始された。2010年7月8日、警視庁少年事件課と池上警察署は、この男子生徒と女子生徒2名を東京家庭裁判所に過失致死の非行事実で書類送致した。2010年10月19日、女子生徒に対して「軽率な行為で、結果は重大」として保護観察処分とする決定。一方、男子生徒に対しては2010年11月5日、同級生を突き落としたと認定したが、女子生徒が突き落としたもう一方の同級生を助けようとして溺れたことが水死に大きな影響を与えたと結論付け、不処分となった。
◆平成22年(2010年)桐生市小学生いじめ自殺事件
2010年10月23日正午頃、群馬県桐生市の小学6年生の女児が、自宅で自殺した事件。自宅にて、手編みのマフラーで首をつった状態で発見された。遺書はなかったが、警察は状況から自殺と判断した。女児が通う小学校でいじめがあったと家族は主張している。いじめは転校してきた1年後の5年生からだという。きっかけは授業参観時の、フィリピン人である母の容姿についての悪口だったという。6年生からは無視が始まった。学校の担任は、班ごとに給食を食べるよう指導したが、事実上クラスを統制しきれなかった。女児のクラスは、10月には学級崩壊の状態にあり、学校側も担任以外の教員を投入するなどの対応を取っていた。女児は9月28日の席換え後から孤立し、一人で給食を食べることが多くなり、欠席も目立つようになっていた。女児は両親にすがり、転校を訴えたという。21日の校外学習には出席したが、「こんなときだけ来るのか」と同級生に言われたという。家族はこの社会科見学が自殺を決意させたとしている。
◆平成23年(2011年)大津市男子中学生自殺事件
昨年10月、滋賀県大津市の中学2年生がいじめを苦に自宅マンションから飛び降り自殺した事件で、生徒は生前、 「死んだスズメを口に入れろといわれる」「毎日自殺の練習をさせられる」などのいじめを受けていたことが判明した。
◆平成25年(2013年)奈良県橿原市中1女子自殺事件
平成25年3月奈良県橿原市で当時中学1年の女子生徒が自殺。
生前、「こんなんいじめ、死にたい」と、周囲に打ち明けていた。
学校は、自殺から2カ月たって、ようやく442人の生徒を対象にアンケートを実施した。遺族側の要望で7月下旬、個人名を黒塗りにするなどして市教委が開示した。遺族側の集計によると、生徒40人が学校内で直接見聞きしたことを記述していた。このうち、「仲の良い友人3人から仲間外れにされていた」「所属していた部活動の先輩1人からふざけて暴力を受けていた」「ひざでおなかをなぐられていた」、「けられたり、なぐられたり、足を洗うところで雑用に使われたりしていました」など、女子生徒が暴力を受けるのを見たという内容の記述が複数あった。
◆平成27年(2015年)神奈川県川崎市中1男子殺害事件
学校や保護者、警察など大人の目が届かない閉ざされた空間LINEでのやり取りが原因となり、川崎市の中学1年、上村遼太さんが亡くなった。2015年2月12日、男子生徒への暴行をとがめるために男子生徒の友人数人が少年宅に押しかけて家族とトラブルになった際、駆け付けた警察官から電話で事情を聴かれた男子生徒は「仲直りしたから、もう大丈夫です」と答えていた。男子生徒は2015年1月中旬、LINEでの既読無視をしたことが原因となり、自称無職の少年(17)から暴行を受け、目の周りが腫れ上がる大けがをした。
少年は逮捕後の調べに対し、この時のトラブルが殺害の動機だったと説明。「(男子生徒への暴行を友人に)ちくりやがったからやった」などと話し、殺害を認める供述をしている。
「殺されるかもしれない」。上村さんは2015年になってから同級生にLINEでメッセージを送り、暴行を受けていることなどを相談していた。すでに上村さんの顔には殴られてできた大きなあざがあり、友人らの心配に対し、グループを抜けたがっていることも明かしていたという。LINEに書き込まれたSOSは、周りの大人には届かなかった。
上村遼太さんと容疑者たちは、頻繁にLINEでやり取りをしていた、
事件当日、上村さんは、容疑者の1人に「遊びましょう」とLINEでメッセージを送った。
容疑者の1人は事件発覚の翌日「もう俺のせいだよ」「もう会えないと思うとめっちゃ悲しいよ」などと心情を吐露していたとされる。LINEには許可されたメンバーだけがグループ内でやり取りができる機能がある。上村さんが18歳少年を含まないグループを別に作って連絡を取っていたことが、少年を怒らせるきっかけになった。
◆平成27年(2015年)岩手県中2男子自殺事件
岩手県矢巾町のJR矢幅駅で中学2年の村松亮君(13)が列車にはねられ死亡した。村松君が砂をかけられたり、殴られたり、髪の毛をつかんで顔を机に打ち付けられている姿がたびたび目撃されていたこと。村松君は、同級生から日常的に嫌がらせを受けていた。担任に提出していた「生活記録ノート」で、村松君は、「ずっと暴力、ずっと悪口、やめてといってもやめないし、休みたい」「もうつかれました」「死にたいと思います」など、いじめの苦しみや自殺をほのめかす内容を書いていた。村松君が亡くなる6日前の2015年6月29日には、「ボクがいつ消えるかはわかりません。ですが、先生からたくさん希望をもらいました。感謝しています。もうすこしがんばってみます。ただ、もう市ぬ場所はきまってるんですけどね。まあいいか」。と自殺をほのめかす深刻な内容だったが、担任教師は、「明日からの研修たのしみましょうね」と記しただけだった。
学校は村松君の死後、生徒や教職員を対象にアンケートや聞き取りによる実態調査をした。少なくとも約60人の生徒が村松君へのいじめを見聞きしたことがあると回答した。名前の挙がった生徒らにも事実確認しており、こうした調査結果を踏まえて判断した。
◆平成28年(2016年)青森県中2女子線路に飛び込み自殺事件
青森市立中2年の女子生徒(13)が、2学期の始業式翌日にJR奥羽線に飛び込み自殺したとみられる問題で、女子生徒が校内の複数の生徒からいじめを受けていたとの「遺書」を、スマホのメモアプリに残していたことが分かった。
いじめた生徒の実名も書かれ、「もう生きていけそうにない」「耐えられません」など悲痛な訴えがつづられている。いじめた生徒たちに対しては「噂流したりそれを信じたりいじめてきたやつら、自分でわかると思います。
もう、二度といじめたりしないでください」と訴えている。家族には「先立つ不幸を許してください」「13年間ありがとう」との言葉が書かれ、末尾には死亡した日である「2016年8月25日」と記されていた。29日夜、同市内で報道陣の取材に応じた家族によると、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で中傷、誹謗(ひぼう)も受けていたといい、父親は「いじめた生徒は大変なことをしたということを深く反省してほしい」と肩を落として語った。
◆平成28年(2016年)北九州高2女子自殺事件 LINEいじめか
北九州市の私立高校2年の女子生徒=当時(16)=が4月に自殺していたことが26日、学校への取材で分かった。自殺前、無料通信アプリLINE(ライン)で同じクラスの女子生徒に「私に何かあったらあんたたちのせい」「後悔しても知らん」といったメッセージを送っており、学校は近く第三者委員会を設置していじめの有無を調査する。学校によると、女子生徒は4月17日午前8時すぎに登校のため自宅を出た後、同10時20分ごろに学校近くのガードレールで首をつっているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。女子生徒は同じクラスなどの3人の女子生徒と仲が良かったが、このうちメッセージを送った1人と昨年11月中旬ごろにトラブルとなり、関係が悪化していたという。ラインのメッセージは自殺した日の朝に送っていた。遺書は見つかっていない。学校は一部の生徒を対象にしたアンケート結果に基づき緊急保護者会などで「いじめはなかった」との認識を示したが、遺族の要望を受けて6月初旬に全生徒対象のアンケートを改めて実施。「終業式で写真を撮る時、わざと写らないようにされていた」といった情報が寄せられたという。
◆平成29年(2017年)仙台中二男子飛び降り自殺事件
仙台市の中2男子がマンションから飛び降り自殺した。遺書は見つかっていない。生徒は学校のアンケート調査に「無視された」などと回答しており、市はいじめの有無などを調査する。 市教育委員会によると、男子生徒は4月26日午前10時15分ごろ、自宅近くのマンション敷地内に倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡した。同日は朝から通常通り登校して1時間目の授業を受けたが、2時間目の開始時にいなくなっていた。 学校が昨年6月と11月に実施したいじめに関するアンケートに対し、死亡した生徒は「悪口を言われたり、物を投げられたりした」「冷やかしや無視をされた」と回答していた。学校側はいじめとは捉えておらず、「関係する生徒から事情を聴いて指導し、問題は解消された」と説明している。男子生徒は、2人の教諭から体罰を受けていた。「まさか、先生が…」。耳を疑うような事態を知った保護者らは驚きのあまり絶句した。男子生徒は自殺前日も体罰を受けており、市教委は自殺と体罰の関係性を否定しなかった。同じクラスだった生徒の保護者は「体罰が自殺の引き金だったとすれば本当に許せない。学校は原因究明をする気があるのか疑問だ」と憤った。別の保護者の関係者は「(特定の教諭が)何かと理由を付けて、男子生徒の頭を日常的にたたいていたと聞いた。男子生徒は『先生が怖い』とおびえていたようだ」と明かした。遺族関係者によると、男子生徒は同級生から嫌がらせを受けて教諭に相談しても、他の生徒の言い分が優先され、逆に怒られることが度々あった。男子生徒は周囲に「先生に言っても自分が悪いことにされる」と打ち明けていたという。仙台市では2014年9月に泉区の館中1年の男子生徒が、16年2月に同区の南中山中2年の男子生徒がいじめに絡み自殺。中学生の自殺の連鎖に、それぞれの遺族は学校への不信感をさらに強めた。館中の父親は「先生が暴力を振るえば、生徒がまねをするのは当然。学校全体が加害者だ」と非難。南中山中の父親は「学校は外部から指摘されるまで知らぬ存ぜぬばかり。息子の時から何も変わっていない」と批判した。市教委は19日夜、学校で2年生の生徒の保護者を対象に説明会を開き、教諭による体罰があったことを謝罪した。校長は保護者会後に取材に応じ「教諭による体罰は痛恨の極みだ。教育の信頼を損ない、深くおわびしたい」と語った。
◆平成30年(2018年)埼玉高2ネットいじめで自殺
埼玉県立高校2年の女子生徒(当時16)が昨年4月に自殺し、県教委の調査審議会は14日、元交際相手やその妹によるツイッター上の「ネットいじめ」が自殺のきっかけだったとする報告書をまとめ、公表した。女子生徒は自宅で首をつって自殺。遺族の求めで、弁護士らで作る審議会が昨年6月から調査していた。報告書がいじめと認定したのは、女子生徒の2年先輩で当時交際していた男子生徒と、その妹が書き込んだツイッターの内容。元交際相手は昨年3月、女子生徒とのけんかを機に妹に頼み、自分が浮気しているとのうその内容を妹のツイッターに書き込ませた。また妹は、女子生徒が限られた人にだけ公開していたツイッターの内容を暴露したり、非難したりする書き込みもしていたという。
報告書は「女子生徒は精神的ショックを受け、食事もとれなくなった」と指摘。「自殺の直接的な原因とまではいえないが、書き込みをきっかけに自殺を考える精神状態に至った」と認定した。高校に対しては、昨年3月末に女子生徒から相談を受けた際、生徒が転校も考えていると把握したことから「いじめの重大事態に該当する可能性を考慮して対応する必要があった」とした。女子生徒の両親は元交際相手らや県を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしている。父親(47)は取材に「いじめを認めたことは評価するが、それが自殺の原因と踏み込んでほしかった」と話した。
◆平成30年(2018年)熊本で高3女子が自殺 いじめ原因か 2018年5月28日県教委会見
熊本県北部の県立高校3年の女子生徒(17)が、いじめを受けたことをうかがわせる遺書を残して自殺していたことがわかった。遺族は学校や県教育委員会に対し、第三者による調査を求めており、取材に対し「学校で何が起きていたのか明らかにしてほしい」と話した。
遺族によると、生徒は17日午前、体調不良を訴え学校を早退した。その後、自殺を図っているのを、様子を見に行った祖母
が見つけた。病院に搬送されたが、翌日未明に亡くなった。
手書きの遺書には、同級生から「よう学校に来られるね」「死ねばいい」などと言われたことや、「誤解なのに」「とても苦しかった」「もう死にたい」といった自身の気持ちが書かれていた。学校側に相談したことにも触れていたという。
女子生徒が通っていた高校では25日、校長が学年集会などで生徒に説明。すでに生徒らからの聞き取り調査を始めているという。27日には保護者説明会を開き、経緯を説明したが、遺族によるといじめとの関連には触れなかったという。県教育委員会は28日、記者会見を開く予定だ。
◆平成30年(2018年)新潟の高校生自殺「SNS上でいじめ」
新潟県立高校3年の男子生徒(17)が自殺した問題で、県教育委員会と同校の校長が12日、記者会見を開き、生徒がSNS上で中傷されるなどのいじめを受けていたことを明らかにした。教職員は自殺までいじめの存在に気づかなかったという。県教委はいじめ防止対策推進法の「重大事態」にあたるとし、第三者委員会を設けて調査をする方針。
県教委によると、男子生徒は6月27日朝、自ら学校に欠席連絡をして以降、行方がわからなくなり、翌28日に遺体で見つかった。いじめを受けたという趣旨のメモをスマートフォンに残していた。
校長は会見で、男子生徒がSNS上で中傷されたり、複数人から嫌なあだ名で呼ばれたりするなどのいじめを受けていたと説明。自殺を把握した後に、生徒に聞き取りやアンケートをした結果、いじめがあったという声が複数あった。加害生徒も把握済みで、聞き取りに対して反省の態度を示したという。
同校が定期的に行っているアンケートでは、男子生徒へのいじめに関する記述はなく、本人も「悩みやいじめはない」との選択肢を選んでいた。家族にも訴えはなかったという。校長は「亡くなった生徒の訴えをくみ取れず、申し訳ない」と陳謝した。
◆平成30年(2018年)部活でいじめ」自殺図り八王子の中2死亡
東京都八王子市で市立中学2年の女子生徒が2018年8月に自殺を図って、9月に死亡し、学校が市教育委員会に女子生徒について「部活動でいじめがあった」と報告していたことがわかった。市教委は第三者委員会を設置し、いじめと自殺の因果関係について調べる方針だ。校長によると、生徒は昨年8月、家族旅行のために部活動を休んだとして、上級生から携帯電話の無料通信アプリ「LINE
(ライン)」でとがめられた。昨年9月に入って生徒は学校を休みがちになった。
両親と生徒が学校にこうした経緯を説明。部の顧問は上級生に事情を聴いた。学校側は昨年10月に2人を直接会わせて話し合わせようとしたが、生徒が「謝ってもらったので大丈夫です」と言い、上級生も謝ったと認めたため、問題は解決したと判断したという。
生徒はその後も不登校が続き、今年4月に別の学校に転校したが、転校先でも学校に通えなかったという。元の学校に生徒の親から自殺したと連絡があり、学校側は「いじめがあった。重大事態と認識した」という。
校長が生徒の両親に見せられた両親あての遺書には、部活動での「トラブル」という言葉や「まわりが助けてくれなかった」「学校に行きたかった」という趣旨の文章が書かれていたという。
校長は「非常に重く受け止めている。自殺をはかった原因については、第三者委員会にきちんと調べてもらいたい」と話した。
◆平成31年(2019年)「ネットで悪口」 踏切で死亡の高2女子
群馬県立高校2年の女子生徒(17)=前橋市=が2019年2月1日夜、自宅近くの線路で電車にはねられて亡くなった。群馬県警は自殺とみている。自宅にはいじめ被害に悩んでいたことをうかがわせる数十枚ものメモが残されていた。両親は「学校でいじめに遭っていた」と訴え、学校に真相究明を求めている。最愛の娘を失った両親は「悲しみが日に日に大きくなる。涙が止まらない」と沈痛な思いを打ち明けた。
◎相談 一度のみ 「もっと悩みを聞いてあげられていたら」
高校の制服、大好きだった漫画、中学時代から愛用するテナーサックス―。女子生徒の部屋は生前と変わらぬままだ。父親はアルバムをめくりながら、「かわいらしい子だった」と声を絞り出す。女子生徒は高校卒業後に「就職してパパとママの面倒を見る」と話していた。浴衣や着物が好きで、将来は「旅館のおかみ」になるのが夢だった。前橋市内の中学校から県立高校に進学。明るい性格だったという中学時は吹奏楽部に所属し、周囲を笑わせるのが好きだった。高校入学後に頭痛や腹痛などを訴えるようになり、泣きながら帰宅することもあった。帰宅後、30分以上も手を洗い続けるなどの異変がみられるようになり、専門の医療機関を受診するようになった。母親は「学校、休んだらどう」とも言ったが、極端な体調不良などを除いて学校に通い続けた。「悪口を言われている」。いじめに関し、両親への相談があったのは1年生の時の一度だけ。学校に相談し、問題は解決したと思っていた。2年生になって再び表情が暗くなり、「学校、大丈夫?」「まだ悪口言われているの?」と尋ねても、女子生徒は「私はお面をかぶるのが得意だから」と答えたり、はぐらかしたりした。2018年10月、家族3人で熊本県を旅行した。女子生徒が好きだったアニメキャラクターにゆかりのある阿蘇神社を訪れた。気分転換をさせたかったが、「笑顔がなく、ずっと暗かった」。2019年1月ごろから体調が悪化。亡くなった当日、女子生徒は学校で倒れ、家族が病院に付き添った。帰宅後、行方が分からなくなった。その後、自宅近くの線路ではねられた。両親は病院での変わり果てた娘の姿を忘れることができない。自室には「先生は私の言葉を信じてくれなかった。ネットで悪口を言われてるのは本当なのに」「そうか、すべて私が悪いのか。もういいや。私、もう」などといじめ被害に苦しんだことをうかがわせるメモが大量に残されていた。両親は悔やむ。「弱い部分を見せない子だった。もっと悩みを聞いてあげられていたらよかった」8日、家族のみの法要がひっそりと執り行われ、女子生徒は納骨された。
◎月内にも調査結果 生徒らに聞き取り 県教委が遺族に
県立高校2年の女子生徒が電車にはねられて死亡し、いじめに悩んでいたことをうかがわせるメモが見つかった事態を受け、群馬県教委は8日、同校が教職員や生徒への聞き取り調査を始めており、月内にも結果をまとめ、遺族に示す方針を明らかにした。遺族の意向を踏まえ、第三委員会の設置も検討する。同校の校長は上毛新聞の取材に「生徒の命が失われ、痛恨の極み」と述べ、校内調査を急いでいると説明した。県教委は同日、県庁でこれまでの対応などを説明。同校が全教職員や、亡くなった女子生徒と仲が良かった生徒らから事情を聞き取り、月内に調査結果をまとめる見通しを示した。結果を遺族に報告し、遺族の意向を踏まえて有識者らでつくる第三者委員会の設置が必要かを判断する。同校では7、8両日、後期選抜試験が予定通り行われた。県教委によると、同校を含む県内公立学校では、少なくとも各学期に1回、全児童生徒を対象に、いじめの有無など確かめるアンケートを実施している。県は2017年、スクールカウンセラーの全校配置や相談窓口の周知などいじめの未然防止や早期発見に向けた「県いじめ防止基本方針」を策定している。(上毛新聞)
◆令和元年9月 神戸教師いじめ
子どものいじめ問題が悪質・深刻化する中、2019年は「教員間のいじめ」というキーワードがメディアを賑わせた。神戸市立東須磨小学校で、教員4人が同僚の男性に激辛カレーを無理やり食べさせるなど悪質な嫌がらせをしていた問題。兵庫県警は4人を任意で事情聴取しており、事件化するのは間近とされる。この問題を巡ってはインターネットで映像が出回り、市教育委員会が給食でカレーの提供を取りやめたため「改めるべきはそこじゃない」「カレーに罪はない」など多くのツッコミを受け、失笑を買った。兵庫県警は2019年11月18日、4人の事情聴取を開始。それ以前にも被害男性やほかの教員にも事情を聴いており、暴行や強要の容疑での立件は秒読みとみられる。
今回、被害者である男性教員が暴力を振るわれたり、嫌がらせをされたりして、精神的に不安定になって9月から欠勤。県警に暴行容疑で被害届を提出(「教員間のいじめ」刑事事件への発展が濃厚、原因は「神戸方式」人事か) 。その後も新聞やテレビで連日、大きな扱いで報道されるが、市教委や東須磨小の対応は常に後手に回り、世間の理解を得られるようなものでは到底なかった。
東須磨小は2019年10月16日、保護者説明会を開催し、問題の経緯を説明した。しかし「パワハラと認定した行為だけお答えする」というスタンスで、具体的にどんな行為があったかほとんど回答を拒否。
また、ショックを受けた児童4人が学校を欠席していたことが判明。ほかにも、カレーを無理やり食べさせている動画に写っている家庭科室に「子どもが入れなくなった」とする意見が寄せられていたことも明らかになった。
この場で4人の謝罪文書が読み上げられたが「深くお詫びしたい」「猛省を続けていきたい」「申し訳ない気持ち」「子どもたちを精いっぱい愛してきたつもり」など、何とも乾いた文面だったらしい。
保護者からは「連れてきて謝罪させろ」「ちゃんと本当のことを話してほしい」「誠意が感じられない」などと、強烈な怒りや抗議の声が上がったという。
2019年10月17日には、久元喜造市長や長田淳教育長らがこの事件について協議する総合教育会議を開催した。
久元市長は「おぞましい行為に及んだこうした教員が、なぜ教育現場にいられたのか、市民も疑問に思っている」と強烈に批判。
長田教育長は「市教委と学校に溝があると聞く。学校は問題を校内で収めたいと思う意識が強いのではないか」と指摘した。
市教委は東須磨小に児童の相談を受けるカウンセラーを常駐させ、事実関係の解明のため、弁護士3人による調査委員会を設置したと説明。
同日開催された市議会文教こども委員会では、東須磨小で児童同士のいじめ認知が2017年度は0件だったのに、18年度は13件、19年度は半年間で16件と急増していることが明らかにされた。
市教委は「教員間の仲がぎくしゃくしていたことが影響したのではないか」と分析。何のブラックジョークかと思うが、4人のうち一部はいじめ問題に対応する指導担当だったという。
全国紙社会部デスクによると、市教委は今回の被害者の男性以外にも、複数の教員がパワハラやセクハラの被害を受けていたと認定。そのうちの1人である女性も激辛ラーメンを無理やり食べさせられていたという。
ここで問題になるのが、今春に異動した前校長の存在だ。
前校長は今年初め、この女性が激辛ラーメンを食べさせられた事実を耳にしていたという。
同じ時期には、今回の被害男性との面談で「いじめられてなんかいないよな」と発言。男性教員は圧力を感じ、被害を申告できなかったとされる。
この前校長は教頭だった17年夏、男性は飲み会に参加しないと告げていたが「新人なら行くべきだ」と強制。市教委は「パワハラに当たる」と認識しており、前校長もそうした点を認めているという。
こうした嫌がらせに強く関与していた4人のうち男性2人は、前校長と特に親しかったといわれている。
ほかにも東須磨小で勤務していた女性が「前校長らのパワハラを受けて退職した」などと市議会に訴え、前校長を市議会に参考人招致し、刑事告発するよう求める陳情書を提出したことも明らかになった。
この事件で市民の反発を招いたのが、4人が休職している間、有給休暇扱いで給与が支払われている点だった。
4人について「おぞましい行為」と批判した久元市長は10月24日、起訴される可能性がある職員の給与を差し止める条例改正案を提出すると発表した。
市教委も4人から自主退職の申請があっても受理しない方針を決めた。処分前に認めると、処分を受けずに退職金が満額支給される可能性があるためだ。
4人は実質的な「謹慎」で出勤していなかったが、市教委の規定には自宅謹慎などの処分は存在しないため、行動は自由で給与も支給される有給休暇の扱いだった。
本来、自治体の首長は教育行政を指揮する権限はないのだが、条例の提案は可能。懲戒処分前でも「異常な事態なので、異例な手段で対応する」と、職員の給与を差し止められるよう条例を改正する裏技を使った。
これには市議から「市長による教育行政への介入ではないか」と懸念する声も聞かれたが、別の市議は「本当なら、市教委がもっと強い姿勢で対応して然るべきだった」と擁護した。
同29日、改正条例案はスピード成立した。翌30日に公布・施行。4人を休職、31日に分限休職とし、給与を差し止めた。
これまでの条例では、給与が発生しない「休職扱い」にできるのは「起訴された場合」「病気の場合」に限られていた。
そのため1人は11月9日、処分を不服として市人事委員会に処分取り消しを求めて審査請求するなど、ごたごたが続いている。
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